製品の評価: 4.8
年間200日以上出張している私が、たどり着いた究極のバックパックが、今回紹介するCotopaxi Allpa 50L Adventure Travel Packです。
これまでグレゴリーのコンパス40やCABIN ZEROなど数多くの出張用バックパック/リュックを手に入れて使ってきましたが、どれもあと一歩、自分の使い方にフィットしませんでした。
Cotopaxi Allpa 50L Adventure Travel Packは機能性、耐久性、そして旅行用バックパックとしての基本性能が私にとってのパーフェクト。
発売日に購入して、しばらく使ってみたので、じっくり解説していきます。

基本スペック

項目 | 詳細 |
---|---|
容量 | 50 L |
メインパック寸法 | 69x36x26cm |
ベースパック(本体のみ)寸法 | 55 × 36 × 23 cm |
スリングバッグ寸法 | 33 × 22 × 14 cm、容量8 L |
重量 | 1985g |
素材 | ・シェル1:100% リサイクル 840D TPU コーティング ・ナイロンシェル2:100% リサイクル 840D リップストップナイロン ・ライニング:100% リサイクル リップストップポリエステル |
ハーネス調整 | 最大約 4 インチ(約10 cm)まで調整可能 立体形状背面パネルは ウエストベルト(ヒップベルト) 上部ハーネス・ヒップベルトは収納可能 |
ポケット類 | ・靴・汚れ衣類用のボトムポケット ・内部メッシュポケット×2 ・前面アクセサリーポケット ・パスポート向け隠しジッパーポケット ・ラッシュループ付きサイドボトルポケット ・トップにクイックアタッチ用ストラップ ・スリングバッグ取り外し可能 ・ノートPCポケット(最大16インチ) |
外観




外観はオーソドックスなボックス型。
素材はすべてリサイクルナイロンを使用しています。
前面のみTPUコーティングが施され、マットな質感に仕上がっています。
ポケット類
Cotopaxi Allpa 50L Adventure Travel Packのポケットはとにかく優秀。
搭載されているポケットを一気に紹介します。
外部ポケット




外側には、①手首まで入るフロントポケット、②メッシュ素材でストレッチの効いたボトルポケット、③16インチまでのPCポケット(内部にタブレット用ポケットあり)、④左サイドに隠しポケットがあります。
上部ポケット(スリングバッグ)



上部ポケットは、スリングバッグとして切り離しできます。
キーリング付きフロントポケットとメインポケットの2つ。
メインポケット内部には、ジッパーポケットとiPad miniも入る仕切りポケットがあります。

取り外したスリングバッグの背面は、クッション性のメッシュ素材で、体へのフィット感も良好。
内部ポケット


メインコンパートメントは1気室の大容量収納スペース。
フタ部分に2つのメッシュポケット、下部には洗濯物やシューズが収納できるジッパーポケットがついています。
4つのギミック
Cotopaxi Allpa 50L Adventure Travel Packを機内持ち込み用として究極のバックパックと呼ぶのは、ここで紹介する4つのギミックに秘密があります。
1.2つのバッグとして使える

一番のギミックは何と言ってもスリングバッグとベースバッグが切り離せるところ。
ファスナーで着脱可能。
2. 隠されたループベルト

スリングバッグを外した上部には、ループベルトが隠されていて、ジャケットやピローなどを縛り付けておくことができます。
スリングバッグを切り離して終わりじゃないところが素晴らしい。
3. 調整可能なショルダーハーネス

ショルダーハーネスは上下約10cm動かすことが可能。
自分の身長に合わせて使えます。
荷物を背負ったまま歩き回るなら、フィット感や背負い心地は超重要。
4. 収納可能なハーネス

ショルダーハーネス、ヒップベルト(ウエストベルト)は格納可能。
預け荷物の時やスーツケースと持ち運ぶときに便利。
特にヒップベルト(ウエストベルト)は、使用しない場合ベルトが垂れ下がってしまうため、見た目も良くないです。収納できればスッキリ。
ハンドルループがあればもっと良かったかもですが、総容量は50Lあるので、ほぼ、これひとつで完結するのでどうしても欲しいわけではないです。
参考例)4泊5日の荷物を収納

ガチの収納例を作ってみました。
国内から国外まで4泊5日くらいなら余裕で収納できます。
最大で1週間程度は詰め込めるので、洗濯ありを前提とするなら1ヶ月も余裕です。
衣類

Tシャツ4枚、下着4枚、靴下4足。ロングパンツ1枚とショートパンツ1枚を衣類ケースに収納。

使用しているは「Samfolk 旅行用圧縮袋」。
8点セットで2千円台とかなりオトクな価格設定。
撥水加工も施されていて、ファスナーの耐久性も悪くないです。
黒を選ばない理由は、旅行先は明るくない場所で取り出すこともあるし、Allpa 50L Adventure Travel Packの内部が黒ということもあり、視認性重視です。


今回使ったのはLとSのみですが、最大サイズのXLはメインコンパートメントにキレイに収まります。
ガジェットポーチ

ガジェットポーチはtomtocのもの。自立してくれて便利です。
- USB充電器×2
- USB-Cケーブル
- ロジテック SSD
- ESRのMagSafeワイヤレス充電器
- Anker Apple Watch充電器
モバイルバッテリーは、航空会社の規定により手元においておく必要があるので、スリングバッグに入れています。

メインコンパートメントへの収納

- 衣類圧縮袋S×2、L×1
- モンベルトラベルキットパック
- tomtocガジェットポーチ
4泊分詰め込んでも、空間に余裕があるので、さらにお土産を入れたり、ジャケットを入れたりできます。
隠しポケット(セキュリティポケット)

隠しポケットには、iPhone16 Pro Maxとパスポート。
バックパックを背負ったまま、左手を回せば取り出せるので、超絶便利です。
PCポケット

PCポケットは仕切りが付いているので、iPad Pro 11も同時に収納可能。
今回は、MacBook Air13とiPad mini A7Proを収納。
スリングバッグ



スリングバッグには機内でも、街中でも使うものを収納。
フロントポケットとメインポケットに別れていて、収納しやすい。
これだけ入れてもまだ余裕、収納力はカタログ値の8L以上と感じました。
なんでも飲み込んでくれます。

モバイルバッテリーは、長時間フライトを考えてAnkerのPower Bank (25000mAh, Built-In & 巻取り式USB-Cケーブル) と、街中で使えてかつApple Watchも充電できるMATECHのMagOn Watch Slim 5000をチョイス。
国内旅行なら、MATECHのバッテリーだけ持ち出すことも多いです。
一般的に国際線、国内線に限らず、100Wh以上160Wh以下のモバイルバッテリーは1人あたり2個まで機内持ち込み可能となってます。25,000mAhなら問題ありません。
WhからmAhの変換式は以下のとおり。
ワット時定格量(Wh)/ 定格電圧(V)×1,000= 定格定量(mAh)
160Wh / 3.7v×1,000 = 43,243 mAh


スリングバッグは、iPad miniやヘッドホンも余裕です。

他社製品と比較
ここでは他社製品との比較というか、それぞれ使い続けてはいたものの、買い替えに至った長期使用におけるいくつかの不満点を紹介します。
CABIN ZERO CLASSIC 44L

CABIN ZERO CLASSIC 44Lは1年以上使用し、Cotopaxi Allpa 50L Adventure Travel Pack買い替える直前まで使用していました。
CABIN ZERO CLASSIC 44Lのメリットといえば、圧倒的なコストパフォーマンスと軽量で大容量なサイジングです。
トップポケットはないものの、内部に簡素化されたメッシュポケットが上部にあり、使い勝手も良好です。
大きなフロントポケットも使いやすかったです。

CABIN ZEROの不満点は、PC用のポケットが内部にあるので、取り出しにくいということ。
もう一点は、ボトルポケットがないこと。空港内や旅行先で、ペットボトルをすぐに取り出せないのが意外とストレスでした。


tomtoc Navigator-T66

次の比較対象は、CABIN ZERO CLASSIC 44Lよりもさらに価格を抑えたtomtoc Navigator-T66 。
1万円以下の製品で、圧倒的と言えるクオリティの高さが魅力のバックパック。
よく使うトップポケットやフロントポケット、ボトルポケットも装備し、PC用のコンパートメントも備える、万能選手です。
ただし、tomtoc Navigator-T66を長期間使ってみて感じたのは、アクセスの良いトップポケットが小さく使いづらいと感じました。
またフロントポケットも、思いの外小さく、ジャケットを収納できなかったこともストレスのひとつ。
さらに、メインコンパートメント内部は完全な1気室で、ポケットがひとつもないため、旅行先で増えたとりあえず収納しておきたい小物などの行き場がなくて困ることがよくありました。

取り出さずに済むはずのフルオープンのPCコンパートメントですが、結局、海外の保安検査場ではパソコンを取り出すように指示されることがほとんどでした。


Navigator-T66とCABIN ZEROの共通するデメリット


どちらも素晴らしい製品なんですが、今回買い換えに踏み切った大きなデメリットがあります。
それは、ハーネスが貧弱で、背負い心地が悪い点です。
旅行、特に海外旅行となると、空港はもちろん街中でもかなりの距離を歩くことになります。
そんなとき、ハーネスの弱いバックパックでは疲れがマシマシになってしまいます。
長期間使ってきたCABIN ZERO CLASSIC 44Lやtomtoc Navigator-T66 でしたが、流石にストレスになり買い替えに至りました。
これまでの旅行用バックパック/リュックの不満点まとめ(40Lクラス)
- CABIN ZERO CLASSIC 44L:
- ハーネスが弱い
- 背中が柔らかい
- チェストベルトなし
- ボトルポケットなし
- tomtoc Navigator-T66 :
- 内部ポケットなし
- ハーネスが弱い
- 背中が柔らかい
- グレゴリー コンパス40:
- PCポケットがメインコンパートメントの蓋になっているので開閉しづらい
- フロントポケットなし
- ピークデザイン BTR-45 トラベルバックパック:
- そもそも30Lで45Lに拡張すると厚みが出すぎる
- Thule Landmark 40:
- ほぼ完璧だけど、ブラックカラーの設定なし
- WEXLY ウエクスレイTRANSIT PACK 40L:
- 小分けのポケットが多く、メインコンパートメントが狭いため、キューブパッキング向けではない
- パタゴニア ブラックホール MLC 45L:
- ボトルポケットなし
ここにあげたデメリットは個人的な使い方においてのもので、製品の良し悪しを決めるものではありません。
どれも素晴らしいバックパックであることは確かです。
背負った感想:Allpa 50L Adventure Travel Pack


ひとことで言うなら、ほぼ完璧。
バックパネルはないものの、背面は硬めの素材で作られていて、背中にフィットしてくれます。
ショルダーハーネスは可動式で、ユーザーの身長に合わせて調整できるのも、背負心地の向上に貢献しています。
ロードリフトストラップでショルダーベルトを体に密着させられるのもグッド。
チェストベルト、ヒップベルトも搭載されていて、ヒップベルトは不要な場合は収納できるのもグッド。
通気性を考えた背面パットがあればさらによかったですね。
ショルダーベルトの裏面は通気性の良いメッシュ素材。
42L+8Lの使い勝手の良さ

海外旅行となると、パスポート、ビザ、旅程表、航空チケット、スマホ、イヤホンなどなど、すぐに取り出したいアイテムが沢山です。
さらに機内では、モバイルバッテリーは棚に入れることは厳禁なので手元に置いておく必要があります。
必然的に、バックパック+スリングバッグという状況になります。
Cotopaxi Allpa 50L Adventure Travel Packなら、機内持ち込みサイズのメインパックと貴重品を入れるスリングバッグに分けて使うことができます。
旅行先でも、ベースパックをホテルに置いて、スリングバッグだけで出かけることも可能。


私は、ファスナーでの分離が面倒なので、常にストラップでホールドしています。
ずれ落ちないようスリングバッグのベルトを上部ハンドルに通して使っています。
スリングバッグにハンドルがあれば、本体のループベルトに通すだけで固定できるので、さらに簡単だったと思います。
Allpa 50L Adventure Travel Packはマイベストバックパックです

メリット(購入ポイント)とデメリットをまとめると以下の通り。
- 機内持ち込み可能サイズである
- タブレットも収納できるPCコンパートメントがある
- ボトルポケットがある
- 十分な広さのトップポケットとフロントポケット
- メインコンパートメントにポケットがある
- 長時間の歩行に耐えられるハーネス
- チェストベルトがある
- 収納可能なウェストベルトがある
- 背負ったままアクセス可能なセキュリティーポケット
- バックパネルの通気性が弱い
- ロゴの有無は好みがわかれる
- 内部が黒一色のため、暗がりでは視認性が低い
今回は、Cotopaxi Allpa 50L Adventure Travel Packをレビューしました。
私の希望するほぼすべてのギミックが備わっていて、アウトドアメーカーだからこその考えられた背負い心地もグッド。
取り外し可能なスリングバッグ付きなのもうれしいポイントでした。
国内外問わず旅行なら必ず活躍してくれるバックパックだと思います。
決して安い価格ではありませんが、毎週のように出かける旅行の相棒と考えれば納得できる製品です。

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