多くの方が待っていたであろう、ソニーの新型ハイエンドワイヤレスイヤホンWF-1000XM5がついに発売されました。
前作WF-1000XM4も音質や性能など評価の高いワイヤレスイヤホンでしたが、今作は、さらにグレードアップしていて、期待を裏切らない仕上がりになってます。
ライバルと言われているTechnics EAH-AZ80との比較は気になっている方もいるんじゃないでしょうか?
実際両機を購入して聴き比べしていますが、音質、性能ともにWF-1000XM5が上回っていると感じます。
ただし、音質の評価は特に個人の好みに左右されるので、この記事の評価が正しいわけではありません。
たまたま管理人がWF-1000XM5の音質を気に入っただけのこと。
どちらもいい音で、EAH-AZ80は落ち着いたまとまりのある音で、WF-1000XM5は派手めで音の粒が多いです。
ちなみに、今後使い続けるのはTechnics EAH-AZ80の方かなと思っています。
理由は、EAH-AZ80のマルチポイント3台が便利過ぎるということ。
音質は拮抗(きっこう)していて、個人の好みでわかれるでしょう。
早速、詳しくレビューしていきます。
製品紹介
同梱品
イヤホン本体
充電ケース
イヤーピース(XS, S, M, L)Mは装着済み
取扱説明書
製品サポートカード
製品スペック
電源 | リチウムイオン電池 | |
---|---|---|
充電方法 | USB充電 / ワイヤレス充電 (ケース使用) | |
電池持続時間(連続音声再生時間) | 最大8時間 (NCオン) / 最大12時間 (NCオフ) | |
電池持続時間(連続通話時間) | 最大6時間 (NCオン) / 最大7時間 (NCオフ) | |
Bluetooth | ||
通信方式 | Bluetooth標準規格 Ver.5.3 | |
出力 | Bluetooth標準規格 Power Class 1 | |
最大通信距離 | 10 m | |
使用周波数帯域 | 2.4 GHz帯 (2.4000 GHz – 2.4835 GHz) | |
対応Bluetoothプロファイル | A2DP, AVRCP, HFP, HSP, TMAP, CSIP, MCP, VCP, CCP | |
コーデック | SBC, AAC, LDAC, LC3 | |
コンテンツ保護 | SCMS-T | |
伝送帯域(A2DP) | 20 Hz – 20,000 Hz (44.1 kHz sampling), 20 Hz – 40,000 Hz (LDAC 96 kHz sampling 990 kbps) |
バッテリーは最大8時間 (NCオン) / 最大12時間 (NCオフ)の再生時間が可能で、日常使いには必要十分。
ちなみにTechnics EAH-AZ80より連続再生時間は1時間長い。
外観
イヤホン
イヤホン自体は、かなり小粒。
前作WF-1000XM4と比べると2/3ほどの大きさ。
側面は、ツヤツヤの樹脂製で、タッチ操作をするトップ部分はマットな仕上がり。
後述しますが、このツヤツヤ部分が、滑りやすくてどうも苦手。
イヤーピースはSS, S, M, Lの4種類。初期装備はMサイズ。
今回特徴的なのがイヤーピースとイヤホンのノズル部分。
ノズル部分は、防塵用のフィルターみたいなものはなく、イヤーピース自体にメッシュフィルターがついています。
構造上問題はないのでしょうが、一般的なサードパーティー製のイヤーピースには、フィルターが無いものが多いのでカスタムは難しいかも。
イヤーピースの素材は低反発のフォームタイプ。
カスタムしたいなら防塵フィルター付きのイヤーピースがおすすめ。
充電ケース
マットな光沢がある外観の樹脂にゴールドのブランドロゴ。
シンプルで高級感もあり、いい感じ。
なによりかなりの小型化でおどろき。全高はAirPods Proよりも低い。
前面に充電状況がわかるインジゲーター。
背面には、充電用のUSB-Cポートとペアリングボタン。
底面には製品仕様が印字。
ケースの開閉もスムーズ。パチっとしっかり閉まってくれる。
重さ
イヤホンは6gと超軽量。
この性能と音質でケース込み48gは、かなりコンパクト。
AirPods Proは54.6gなので、いかに軽量化されているかがわかります。
充電
充電はUSB-Cポートに接続するだけ。モバイルバッテリーでも充電できます。
ワイヤレス充電にも対応してくれているので使い勝手は抜群。
使い方
ペアリング
まずアプリ「Sony|Headphones Conect」のインストールが必須。
AndroidでもiOSでも問題なし。
スマホとの接続はケースを開けるだけでペアリングモードに突入します。
2台め以降は、ケースを開けたまま、ケース裏のペアリングボタンを長押しで実行できます。
正常に接続されれば、アプリのホーム画面にWF-1000XM5が現れます。
アプリの機能
サウンドの項目
- ノイズキャンセリング設定
- 外音取り込み機能の強さとボイスフォーカス
- スピーク・トゥ・チャット:使用者の声と連動して会話モードへ
- イコライザー:カスタムとプリセットの選択
- ファインド・ユア・イコライザー:ユーザーに最適なサウンドを提案
- 360 Reality Audio
- 空間オーディオの設定
- Bluetooth接続:接続優先または音質優先モード
- 立体音響の最適化
イコライザーは、プリセットが8つ、そしてカスタマイズ登録機能があります。
ファインド・ユア・イコライザーで、いくつかのテストを実行すると、自分に最適な音質を提案してくれます。
もちろん登録も可能。
システムの項目
- ヘッドジェスチャー:頷きと首振りで再生・通話のコントロール
- イヤーピースのフィット感をチェック
- イヤホンを外したときの音楽の一時停止 ON/OFF
- ノイキャン時の自分の声を取り込む ON/OFF
- 通知とガイダンスの言語
- 音声アシスタントとの連携
- タッチセンサーの動作をカスタマイズ(※)
- 外音取り込み/ノイキャンの操作の簡略化
- Quick Access:Spotifyなどの専用コントロールタップ
※タッチセンサーのカスタムは、最初から用意されたセットリストがあり、選択して使います。
個別のカスタムはできないのがちょっと不満かな。
アダプティブサウンドコントロール
前作から引き継がれるソニー独自のコントロール機能。
位置情報をもとに、使用する場所や時間帯で自動的にノイキャンや外音取り込みを切り替えてくれる機能。
ボクはあまり使わないというか全然使いません。
理由は毎日同じシチュエーションではないので、同じ場所であってもノイキャンが欲しかったり、外音取り込みを使ったりするので、使い勝手は正直微妙です。
うまく使っている方がいたら教えてください。
使いやすさ
音声も気になるけど使いやすさも大事。という方も多いのではないでしょうか。
まず気になるのはケースからの取り出しにくさ。
イヤホンの側面がツルツルしていることで、ケースから取り出すとき落としてしまいそう。
これは個人差もあるでしょうが、AZ80に比べるとボクの耳への収まり具合はとてもいい。
コンパクトで飛び出す部分がないので、落ちてくる心配もいらない。
アプリの使い勝手は、やれることが多い分、目的の機能を探すのも大変になってきます。
総評としては、不満もありますが、装着感がいいので、使いにくいという印象はありません。
音質
音質はBluetoothイヤホンとしては、とても高音質です。
前機種WF-1000XM4から正当進化しています。
低音から中音・高音までどこをとっても解像度は高い。
少しだけ低音は強めです。
音場も広めで、楽器、ボーカル、ドラムなどが立体的に捉えることができます。
高音も鮮明で耳に刺さるようなシャリシャリ感はありません。
ただし、無線の宿命というか、音をコンプレッサーで底上げしている感は否めません。
とはいえ、無線でここまで鳴らせれば十分です。
やっぱり音質だけ考えれば、ワイヤレスでは有線イヤホンに勝てない。
1万円台のSHURE 215 SEにすら及ばないのは事実。
ワイヤレスの良さは、利便性の高さなので、音質以外の機能やデバイス性能も大事。
ノイズキャンセリング・外音取り込み
ノイズキャンセリング機能は、文句なしで強力。
AirPods Pro2も所持していますが、中音、高音域は、WF-1000XM5の方がよくかき消してくれます。
外音取り込みもかなり自然。
TechnicsのEAH-AZ80は自分の声がこもってしまってイマイチですが、WF-1000XM5は文句なしです。
会話をアシストしてくれるボイスフォーカスもグッド。
Technics EAH-AZ80、AirPods proと比較
音質比較
まず最大のライバル機といえるTechnics EAH-AZ80の比較。
音質は完全に好み。
Technicsのほうがよりナチュラルなサウンド。
音場に幅があり、音の粒が際立っていて、それでいてアタック感があるのがWF-1000XM5。
音質で評価されるのはWF-1000XM5と思いますが、より自然に聞きやすのはTechnics EAH-AZ80。
ボクの場合は、音質に加えて、Technics EAH-AZ80はイヤホンサイズが大きく、耳への圧迫感が強いため、WF-1000XM5の方が収まりがよく、安心して音楽が聴けるかなとも感じました。
気になる方は量販店などで装着テストしてみることをおすすめします。
ノイズキャンセリング比較
ノイズキャンセリングはWF-1000XM5の勝利。
低音域は、AirPods Pro2もTechnics EAH-AZ80もWF-1000XM5も強力。
違いは、WF-1000XM5の方が中音、高音域を多少多めにカットしてくれています。
WF-1000XM5が勝利ですが、僅差です。
外音取り込み比較
外音取り込みもWF-1000XM5の勝利。
より自然で自分の声もこもることはありません。
三者となるとAirPods Pro 2かな。
通話比較
通話もWF-1000XM5の勝利。こちらも三者となるとAirPods Pro 2がより自然。
Technics EAH-AZ80が自分の声が若干こもってしまいます。
総合比較評価
キャラクターの違いがはっきりしている三者なので、どれが一番ということはありません。
- 音質:WF-1000XM5≒Technics EAH-AZ80>AirPods Pro 2
- ノイズキャンセリング:WF-1000XM5>AirPods Pro 2>Technics EAH-AZ80
- 外音取り込み:AirPods Pro 2>WF-1000XM5>Technics EAH-AZ80
- Appleユーザーの使いやすさ:AirPods Pro 2≒Technics EAH-AZ80>WF-1000XM5
- 通話:AirPods Pro 2>WF-1000XM5>Technics EAH-AZ80
- 完成度:AirPods Pro 2>WF-1000XM5>Technics EAH-AZ80
あくまで個人的評価です。参考程度に。
Appleユーザーの使いやすさで、Technics EAH-AZ80の評価が高いのは、3台同時接続のマルチポイントが大きいです。iPhone, MacBook , Switchなどと常に接続できているのが大きなポイント。
完成度でAirPods Pro 2が高いのは、Appleのエコシステムはもちろんウドン部分の音量操作と、通話・ノイキャン・外音取り込みのスムーズさ。
Androidユーザーにとっては使いにくい機種という側面もあります。
Technics EAH-AZ80の不満なところは、ノイキャンや通話時の切り替わりの不自然さ。一瞬空白の圧迫感があり、WF-1000XM5はそれがなく、より自然。
WF-1000XM5まとめ
WF-1000XM5は、正当進化したソニーのフラッグシップモデルです。
購入して失敗した、というようなことはないでしょう。
肝心のライバル機Technics EAH-AZ80との比較ですが、装着感、音質ともに個人の好みに左右されます。
ナチュラルな音質のAZ80を取るか、より細かい音を出せるWF-1000XM5か、どちらも素晴らしい仕上がり。
総合力ではWF-1000XM5が上なのですが、ボクはTechnics EAH-AZ80を継続使用することを選択しました。
理由は3台同時接続のマルチポイント。
接続したいガジェットを頻繁に切り替えることが多いのでこの結果です。
音質と装着感で選べばWF-1000XM5が個人的にはベスト。
通話や外音取り込み、ノイズキャンセリングなどの完成度を重視する場合もWF-1000XM5。
みなさんはどちらを選択しますか?
SONYのフラッグシップ完全ワイヤレスイヤホン:WF-1000XM5が気になった方は製品ページをチェックしてみてください。
WF-1000XM5がいいけどやっぱり高いなーという方はEarFun Air Pro 3。コスパ最強です。
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