SONYの最新ノイズキャンセリング付きワイヤレスヘッドホン【WH-1000XM5】の紹介です。
果たして税込47.279円という価格に見合う製品なのかどうか、気になるところ。
発売直後、WH-1000XM5を買うべきかどうか悩みましたが,YouTuberからの評判も高かったので,購入してAirPods Maxや旧機種WH-1000XM4と比較してみました。
結論からいうと,以下のとおり
- WH-1000XM4を持っているなら買わなくていい
- 最高ランクのノイズキャンセリングヘッドホンが欲しいなら買い
旧機種に比べて,音質やノイズキャンセリング性能は確かに上がっているので買い替えや新規購入で損をするようなことはありません。
あくまで,この記事におけるWH-1000XM5の評価は個人の見解なので参考程度にしてください。
まずは、メリット・デメリットをざっくり紹介します。
- ナチュラルな味付け、かつ高音質
- 最高クラスのノイズキャンセリング機能
- 外音取り込みの性能が高い
- 軽量でフィット感が抜群
- 旧機種から1万円値上がりした割に進化はいまひとつ
- もう少し高級感が欲しい
- 折りたためない
それでは詳しくレビューしていきます。
SONY WH-1000XM5製品詳細
開封
箱は竹やサトウキビに加え,リサイクル紙を使用したエコパッケージ。
化粧箱もなく,内部のスポンジ系の保護材も無しのプラスティックレス。
質素に見えますが,これはこれでステキ。
■同梱品
- ヘッドホン本体
- 携帯ケース
- 3.5mm 有線ケーブル
- USB-C to A 充電ケーブル
- 説明書・保証書ほか
航空機用のアダプタがないのですが,最近の国際線は3.5mmジャックをそのまま挿せることがほとんどなので,よほど古い機体に搭乗しない限り要らない。
製品スペック
ブランド | SONY(ソニー) |
ドライバー | 30mmドライバー |
電源 | 充電式リチウムイオン電池 |
---|---|
充電時間 | 約3.5時間 |
充電方法 | USB充電 |
電池持続時間(連続音声再生時間) | 最大30時間(NC ON時) 最大40時間(NC OFF時) |
電池持続時間(連続通話時間) | 最大24時間(NC ON時) 最大32時間(NC OFF時) |
周波数特性 | 4 Hz – 40,000 Hz |
音声入力端子 | 3.5mm ステレオミニジャック |
通信方式 | Bluetooth 5.2 |
出力 | Power Class 1 |
最大通信距離 | 10m |
使用周波数帯域 | 2.4GHz帯 (2.4000GHz-2.4835GHz) |
対応コーデック | SBC, AAC, LDAC |
対応コンテンツ保護 | SCMS-T |
伝送帯域(A2DP) | 20Hz-20,000Hz(44.1kHz sampling) 20Hz-40,000Hz(LDAC 96kHz sampling 990kbps) |
機能 | アクティブノイズキャンセリング 外音取込み機能 マルチポイント対応 360 Reality Audio認定モデル |
発売日 | 2022年5月27日 |
ソニーストア価格 | 49,500円(税込) |
製品外観
携帯ケースにスッポリ収まっています。
ケース内部のサイドは,ハウジング部分を保護するため,内側の衝撃吸収材でプロテクトされています。
内側には,ケーブル類を収納できるスペース。
フタの部分はマグネットになっていて,取り出しやすい。
ケース不用時は,少しだけ高さを縮めることができます。
WH-1000MXM5本体。
今回からバンド部分の折りたたみができなくなっています。
形状は,賛否あるでしょうがWH-1000XM4よりも個性があって好き。
ただし、旅行用として考えると折りたためないのは残念。
ハウジング内は,キメの細かいメッシュ素材で覆われていて内部は見えません。
イヤーパッドは,前作よりさらに柔らかくなっていて,フィット感もさらに良くなってます。
触ってるだけで気持ちいい。
L/Rはヘッドバンドの内側に印字。
ヘッドバンドのクッションの硬さは,旧作とおなじくらい。
ただ,内側も外側もバンド全体がなめらかな素材で覆われていて,全体的なバンドの肌触りがやさしい感じ。
左のカップに付いている操作ボタン。
物理ボタンは2つだけで,音量操作などは,タッチ・コントロール。
右カップはUSB充電端子のみ。
マイクは片側に4つ,両方で8つ搭載。
フィット感は素晴らしい。
密閉型なので仕方ないですが,夏場はムレが気になります。
使い方
ペアリング
まずはアプリ『Sony Headphones Connect』をApp StoreまたはGoogle Playから入手してペアリングに進みます。
電源ボタンを2秒長押しでON。
iPhoneやAndroidのBluetooth設定から『WH-1000XM5』を選択すると簡単に接続完了。
アプリの操作
操作関連は,すべてチュートリアルに含まれています。
ここをしっかり見ておけばすべてを把握できます。
状況に応じて,本体のバージョンアップもしておきましょう。
本体操作は基本タッチセンサーによるコントロール。
音量の調整までできるので便利ですが,個人的には物理ボタンのほうが使いやすいかな。
感度は悪くないのですが,スワイプする場所がずれていて認識してくれないこともあるので,ミスが多めになるのはイヤ。
ハウジング部分を手で覆って外音取込みに切り替えられるクイックアテンションモードは便利。
クイックアクセスは,カスタマイズして動作を割り当てられます。
物理ボタンでノイズキャンセリングと外音取込み(アンビエントサウンド)の動作を割り振れます。
スピークトゥチャット機能は,相手が会話を始めた途端,音楽が停止して外音取込みモードに移行します。
声が聞こえなくなって一定以上経過すれば,音楽再生に戻ります。
便利なんですが,不意に発動することもあるので,ストレスになる場合も。
機能をOFFにすることも出来ます。
ノイズキャンセリングはオートで強さを切り替えてくれるのですが,手動で変更できないため,「常に最強のANC」みたいな設定ができないのが不満。
歩く・走るなどの行動や指定した場所でANCを自動で切り替えることも可能。
ただ,多くの人がそこまで面倒な設定をして使うかどうかは微妙。
サウンドのタブでは,ANCの切り替えや外音取込み時のボイスフォーカス(声を聞き取りやすくする)の有無を設定。
イコライザーはプリセットだけでなくカスタムも可能。
システムのタブでは,より細かな設定をおこなうことができます。
マルチペアリングの設定もここでONにすれば,あとは2台めの機器から接続するだけ。
ただし,マルチペアリングをすると,音質優先モードではなくなります。
特にLDACコーデックでの接続はマルチペアリングが使えないのでご注意を。
サービスのページは,アクティビティーの計測など健康に配慮した項目になっています。
正直Spotifyの設定(クイックアクセス)以外は使わないかも。
WH-1000XM5と先代WH-1000XM4を比較
製品 | WH-1000XM5 | WH-1000XM4 |
ドライバー | 30mm | 40mm |
ノイズキャンセリング | ◎ 特に中音域強化 | ○ |
---|---|---|
通話品質 | 4つのマイクとAI | 2つのマイク |
電池持続時間(NCオン) | 30時間 | 30時間 |
電池持続時間(NCオフ) | 40時間 | 38時間 |
急速充電(クイック) | 10分で5時間 | 10分で5時間 |
急速充電(PD) | 3分で3時間 | × |
質量(g) | 250 | 254 |
Bluetooth通信方式(ver.) | 5.2 | 5.0 |
その他 | Google Fast Pair対応(※) Spotify Tap対応 音声アシスタント | 音声アシスタント |
※Google Fast Pairは,Android専用アプリ。
機器を近づけるだけでペアリングできる機能やデバイスを探す/鳴らす機能があります。
ヘッドバンドの調整は旧作XM4はカチカチッと段階で伸縮できますが,新作WH-1000XM5は無段階調整。
ある程度の硬さもあるので,勝手に伸びたり縮んだりはなさそう。
折りたたみができるXM4とアームを伸ばしたまま収納するXM5。
個人的には,折りたためていた旧作の形状が良かった。
デザインはWH-1000XM5のほうが好み。
ケースの大きさも全然違います。
ケース込みだとWH-1000XM4が431g,WH-1000XM5が538g。
本体は数グラム軽くなったのに,ケース込みだとXM5のほうが100gも重くなってしまうのは,なんだかモヤモヤ。
比較:WH-1000XM5 vs AirPods Max
Appleのノイズキャンセリング搭載ワイヤレスヘッドホン「AirPods Max」とも比較してみました。
- 解像度はAirPods Maxが圧倒的
- 音質は好みの問題,WH-1000XM5は低域重視,AirPods Maxは高音中音重視
- アクティブノイズキャンセリングは,接戦だけど,ほんの少しWH-1000XM5が上
- 外音取込み機能は,AirPods Maxが圧勝
- フィット感はAirPods Maxが上だけど重い,長時間使用ならより軽量なWH-1000XM5
音質や解像度がAirPods Maxに勝てないのは,値段の差もあるので仕方ない感じ。
ただし,AirPods MaxはApple端末でしか真価を発揮できません。
AACコーデックに最適化されているし,空間オーディオや接続端末のシームレスなやりとりもApple端末限定。
しかもAppleによるAirPods Maxの低域を強調しない音作りは,完全に好みが分かれるところ。
対してWH-1000XM5はAndroidならハイレゾ相当のコーデックLDACで音楽が楽しめるし,空間オーディオの360 Reality Audioも使えます。
マルチポイント対応でMacとAndroidを同時に接続することも可能なところも大きな強み。
そう考えると,AirPods MaxよりもWH-1000XM5を買うメリットはかなりありますが,2つを比べて,やっぱり気になるのは見た目(※デザインの好みは置いといて)
ハウジングにも金属を使い,高級感のあるAirPod Maxに対して,プラスチック感の強いWH-1000XM5はどうしても見劣りしてしまいます。
約5万円という価格で購入するのだから音はもちろんですが,所有欲も満たして欲しいと感じました。
こちらもおすすめ、ゼンハイザーMOMENTUM 4 Wireless。
WH-1000XM5は買うべき?
1週間ほどリスニングして導き出した答えは「WH-1000XM4で十分」ということ。
1万円も値上がりした割には,性能の進化が乏しいのが痛い。
ただし,ノイズキャンセリング搭載のワイヤレスヘッドホンとしては,間違いなく業界トップクラスの音質と性能。
旧作WH-1000XM4を所有していないのであれば『買い』の製品。
金額的に購入を躊躇するのであれば,SONY WH-1000XM4の購入もアリ。十分高性能なワイヤレスヘッドホン。
それでも,新型WH-1000XM5のデザインのほうが好きというのであれば,購入もアリ。
Sony製品は値下がりやセールもそれなりにあるのでWH-1000XM5が3万円台になればお得感がでてきます。
個人的には,Appleのエコシステム(機器同士のシームレスな連携)の呪縛から逃れられないためAirPods Maxを継続使用する予定。
2024年のメインヘッドホンはBose QuietComfort Ultra Headphones で乗り切ります。
今回の比較レビューで、各製品が気になったら,チェックしてみてください。
WH-1000XM4はこちらです
比較に使ったAirPods Max
メインで使っているBose QuietComfort Ultra Headphonesの記事はこちら
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